生後1ヶ月。
お宮参りの出張撮影の依頼をいただきました。
「赤ちゃん」というのは、なんて不思議な存在なんだろうとあらためて思う。
生後1ヶ月。
寝たいときに寝て、泣いて、ふわっと目を覚まして、グイグイっと伸びをして、またウトウトっと眠る。
そんな自由で気ままな時間を過ごしているだけなのに、何をしても、周りのみんなが幸せになる。
口をホホっと富士山の形にすぼめるだけで、なんとも幸せな気持ちになる。
ただただ、口をすぼめただけなのに…
起きているときは、ぐっと握りしめていた拳を、眠りにつくとそっと手を開く。
その時、たくさんのホコリが手の平にあって「ああ、こんなに力を入れて、汗をかいていたのか…」とき気づく。
きっと赤ちゃんなりに、環境の変化に力が入っているのかもしれない。
起きているときには、なにかもう大人には見えない、エネルギーに立ち向かっていて力が入っているのかもしれない。
でもその手を開いたとき「あ、安心してくれたのかな〜」と思って、先に生まれた人間としてうれしいな〜と思えてくる。
握っていた手を開く、たったそれだけのことなのに、とてつもなく幸せになる。
安心している姿を見せることが、相手にこんなにも嬉しい気持ちをもたらすなんて…とあらためて驚く。
赤ちゃんには嫉妬も妬みもなく、誰のものとか束縛も所有もなく、義務も責任もなく、それは本人がしたいことをしているだけなのに、なぜかこっちは勝手に「ああ、よかったね~。」と思う。
文字通り「無垢」
垢が無いの。人間の垢が、煩悩が。
人間は本来、そういう存在だったのか。
大人はいつの間にか垢にまみれて息苦しく、不安定な中にギュッと肩に力が入っているのかもしれない。
でも赤ちゃんが自由に、そしてふっと力を抜いたとき、私もこんな風に自然と力が抜けたら気持ちいいんだろうな〜と思ったのでした。
柔らかい日差しのもとに、暖かい眼差しに囲まれて、健やかに大きく育ってくれるといいな~と思って撮りました。
ご依頼いただきました、O様。ありがとうございました。
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