2018-10-16

「撮る」ということは?

先日、運動会のとき何考えて撮るか?って話を書いた後にお会いした方から、「とても役に立った」と言っていただけて、たまには人の役に立つことを書こうと思いました。

今日はちょっと抽象的なんですが、撮るということについて、思ったことがあったので書いときます。
(しかし役に立つかは不明)

2~3歳の育児サークル的なところで、写真講座をしたんです。
時間も短いし人数も多いしで、普段の写真教室でお伝えすることよりも、もっと端折ってポイントも絞ってお話しをしました。

いい写真を撮って持って帰ってもらうことがゴールだと思っていますので、撮影の時間も設けます。

で、ワイワイと和やかに、「撮れた人」「イマイチだった人」とそれぞれだったんですが、まとめをして終了したんです。

 

その育児サークルというのは、最初にお歌&体操で始まって、最後に絵本の読み聞かせで終わるというのが、いつもの慣わしの様子で、最後の「絵本が始まるよ~」って時になると水をうったように子どもたちも静まりかえって、集中して聞いていました。

その姿が可愛いな~と思ったんですが、あるお母さんがそっと立ち上がって撮影し始めたんですね。

その方のお子さんは絵本タイムがよほど好きなのか、慣れた様子で絵本が始まるとなると母の下を離れて、一番前のいい席に移動したんです。

それをすかさず撮ろうと立ち上がったそのお母さんを見て、あらためて思ったんです。

 

写真を撮るということは、特に「人物」の写真を撮るということは、

その撮りたい人と向き合う必要があり、視線を逆にすることだって。

 

子どもは絵本に集中している。
他のお母さんたちも一緒に絵本をみたり、絵本を見ている子どもを見ている。
身体は絵本の方向を向いている。

そのとき、写真を撮る人だけが、逆を向いているわけです。

写真を撮るということは、時に、人とは逆の視点に立つということだな。

「違う角度から物事を見られるか?」ということが写真を撮るということだよな~と、思ったのです。

 

これは昔、学生のとき20年くらい前、エリオット・アーウィットと一緒に撮影に行った時に思ったことでもあります。

視野をいかに広くできるか?人の逆を見られるか?

そういうことを教えてもらった、と勝手に感じたのでした。

 

野球で例えるならうまい外野手、みたいなことだと思います。
予測して、先に回り込んで、落下点に入る。みたいね。

 

ま、私、野球経験はないですが。

 

だから、写真講座が終わって絵本タイムになって、ほっこり一緒に絵本を見ても、もちろんいいし、それが悪いことではまったくもってないんですが、

 

そこで立ち上がって、今こそ撮るぞ!と動き出した彼女に私は感動したんです。
これだよな~って。

 

もちろん、人間スイッチのOn Off があるでしょうし、できるだけ Off で生きていたいという考えの人から、生きている限り  On ! って人までそれぞれですしね。良し悪しではない。

 

でも、多分ここに球が飛んでくると思ってポジションニングしていた外野手がギリギリ追いついてファインプレーを生み出すように、来るぞ!って思って動きだす。

 

それって何にでも通用するかもだけど、結局そういうところに写真の神様は降りてくるんじゃないかな?って思います。

 

だって、どんなにテクノロジーが進化してスマホのカメラの性能が良くなっても、撮りに動かないと、日の当らない部屋の白い壁ばっかり撮ったところで写ってないのと一緒でしょ。

 

何かを感じてどこから撮るのか?

ポジションニングが最初の一歩だな~と。思います。

 

写真って勝利の方程式というか、いろんな要素があるのでしょ。

それを複合させる。

 

単にタイミングがいい時、

光で勝負する時、

構図で魅せる時、

いいレンズのボケ感が美しい時、

ロケーションでもうすでに勝利の時もあれば

写っている人の表情が抜群にいい時もある。

 

楽に撮れるときもあれば、あれ?なんか今日撮れないよ…てな時もある。

 

撮り手の感情がのっかっている写真。

テーマが絞り込まれていてメッセージが伝わり、多くの共感を得られる写真。

真実をまっすぐとらえた写真。

 

これだけすれば  OK ってことではないと思う。

 

この先、Ai と ドローン で目新しい写真を撮っても、新しい以上にどこまで撮れるんかな~と思います。
いや…わからんけど。どうなるんやろうね。

人間も身体と頭、しっかり使っていかなあかんよね、言うはなし。

 

写真は全く関係なし。次女の顔芸。

 

 

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